クシナシスジキリヨトウ

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スジキリヨトウとは異なる外来種。成虫の後翅はスジキリヨトウが褐色なのに対し、クシナシスジキリヨトウは白色を呈していることで区別ができる。

クシナシスジキリヨトウの幼虫

英名:Lawn cutworm

学名:Spodoptera cilium Guenee

 

【生態と生活サイクル】

1999年に静岡県のゴルフ場で発見された。スジキリヨトウとは異なる外来種であり、アフリカ、マダガスカル、アジアの広域に分布し、台湾やアフリカでは芝草害虫として報告されている。

スジキリヨトウと生態的に非常に類似点が多いが、形態的には雄の触角は細長い糸状(スジキリヨトウの雌と類似)を呈し、雄のスジキリヨトウの両櫛歯状とは異なることから、和名はクシナシスジキリヨトウと命名された。成虫の後翅はスジキリヨトウが褐色なのに対し、クシナシスジキリヨトウは白色を呈していることで区別ができる。

本種は、熱帯、亜熱帯性の害虫であるため、恐らく関東以西を中心に分布・拡大し、スジキリヨトウと混在するケースもある。

卵塊はスジキリヨトウに比べ小さく、草丈の短い芝草を好んで産卵する。成虫の寿命は7~14日である。

 

【防除のポイント】

スジキリヨトウと混在している場合、10月以降に発生のピークとなるため、秋の除草剤散布の時に一緒に殺虫剤を散布する。

 

【発生消長】

クシナシスジキリヨトウの発生消長

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成虫は夜行性で日没後30分程度が発生ピークとなるため、ゴルフ場では発生に気づかれないケースもある。

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