スジキリヨトウ

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3齢幼虫以降に急に摂食量が多くなり、第2~3化期幼虫による被害が甚大となる。

スジキリヨトウ

英名:Lawn cutworm

学名:Spodoptera depravata Butler

 

【生態・生活サイクル】

幼虫で越冬し、年3回の発生である。

成虫:前翅の開帳は、23~28㎜、体長10~15㎜、前翅は灰褐色の濃淡でジグザグな横帯紋がはっきりとわかる。雌の触角は細長い糸状、雄の触角は両櫛歯状となっている。摂食活動は行わず、夜間に活動し、昼間は樹木や芝草地に潜む。羽化して2~3日後に交尾し、卵を卵塊として芝草や樹木の枝などに産みつける。卵塊の大きさはバラバラだが、1卵塊当たり100~500粒程度である。成虫の寿命は5~10日程度である。

幼虫:若齢幼虫(1~2齢)は芝草を葉先から摂食する習性があり、3齢以降に体表に黒褐色の三角形の斑紋ができる。ヨトウ(夜盗)の名前の由来の通り、夜間に活発に活動する。老齢幼虫(6齢)になると25~30㎜前後に達し、幼虫で越冬し4月~5月上旬に蛹化する。

スジキリヨトウ

スジキリヨトウの成虫

 

【防除のポイント】

3齢幼虫以降に急に摂食量が多くなり、第2~3化期幼虫による被害が甚大となるため、2化期成虫発生ピーク後の8月上~下旬に幼虫対象に殺虫剤を散布する。幼虫は、地際で食害するため、薬剤散布前に芝を刈りこんで、幼虫が盛んに活動する夕方以降に散布すると更に効果的である。

 

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【発生消長と殺虫剤散布タイミング】

スジキリヨトウの発生消長と殺虫剤の散布タイミング

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