ノシメマダラメイガ

害虫の食害:食品、その他(極めて広い食性をもつ)

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食品害虫として最も普通に見られる。主に穀物を食害するが、その他にも、豆類、ナッツ、ココア、チョコレート、乾燥果実など、きわめて広い食性をもち、貯蔵食品で最も問題の多い害虫として知られる。幼虫は糸を吐いて穀粒などを綴り、巣をつくり、薄い絹糸を張ったような膜で覆われる。赤~黒褐色の粒状の糞をするのも特徴。

ノシメマダラメイガ

// 特徴

成虫は翅の開張13~16mm。前翅は基部の半分は灰~黄褐色、外側は赤褐色。頭部の前額は円錐状に突出しており、下唇鬚が前向している。幼虫は体長約10mm。胴は黄白色。各節の刺毛は一部を除き、基部に硬皮板がない。蛹は8mm。橙黄色で、繭は薄く透明。

 

// 生態

全世界共通種で、日本では、沖縄以外に生息している。食品害虫として最も普通に見られる。主に穀物を食害するが、その他にも、豆類、ナッツ、ココア、チョコレート、乾燥果実など、極めて広い食性をもち、貯蔵食品で最も問題の多い害虫として知られる。幼虫は糸を吐いて穀粒などを綴り、巣をつくり、薄い絹糸を張ったような膜で覆われる。赤~黒褐色の粒状の糞をするのも特徴。発育に好適な温度は20~30℃であるが、10.8℃以上であれば発育可能である。(低温になったり、餌の条件が悪くなると休眠に入る。)年に5回発生するが、11月くらいからは羽化は見られなくなり、終令幼虫で越冬する。

 

// 防除方法

発生源の食品の整理整頓が第一。駆除には市販のピレスロイド系殺虫剤など(エアゾール剤、燻煙剤など)を使用する。しかし、発生源が食品である場合には、殺虫剤の処理はできないので加熱して殺すか、発生量が多い場合には廃棄処分する。フェロモンを利用したトラップ等もある。

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広食性で、動物質の乾燥食品とくに削り節を加害する。また毛皮、毛織物、じゅうたんや生糸、蚕蛹、剥製標本なども加害する。

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健全な穀粒を加害することは少なく、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉、カビが生じたものを好んで食する。

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砕米や穀粉、これらの加工食品をよく食害する。穀物倉庫、精米・製粉工場、飼料工場、鶏舎などでよく発生する。

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幼虫は暗い所に生息し、動物質の乾燥食品、とくに干魚や鰹節などを食害する。毛織物、毛皮、動物標本なども食害する。

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屋内では、地下の酒倉、食料倉庫、食品、生薬、植物標本などから見いだされる。

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健全な穀粒を加害することはないが、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉を好んで食する。

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コクゾウムシ

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成虫・幼虫とも米、麦、トウモロコシなどの穀類をはじめ、加工食品(干めん、マカロニ、きりいもなど)を食害する。

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コクヌストモドキ

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