ヒメマルカツオブシムシ

害虫の食害:食品、衣類

Print page

年に1回、4~5月頃に成虫が発生する。成虫期後半には明るいところを好むようになり、マーガレット、ヒメジオンなどの花を訪れる。幼虫は暗い所に生息し、動物質の乾燥食品、とくに干魚や鰹節などを食害する。毛織物、毛皮、動物標本なども食害する。

ヒメマルカツオブシムシ

// 特徴

成虫は体長約2.5~3.0㎜。卵円形で、背面は白、灰黄、褐色の鱗片に被われる。鱗片がとれて黒色の下地が見えている固体も多い。幼虫は約4㎜、細長いダルマ形で灰褐色。全体が剛毛に覆われ、尾端に長毛の束(槍状毛)を生じる。蛹は約3mmで、淡黄色で鈍紡錘形。

 

// 生態

世界各地に分布し、日本でも各地に普通に生息す る。年に1回、4~5月頃に成虫が発生する。成虫期後半には明るいところを好むようになり、マーガレット、ヒメジオンなどの花を訪れる。幼虫は暗い所に生息し、動物質の乾燥食品、とくに干魚や鰹節などを食害する。毛織物、毛皮、動物標本なども食害する。幼虫期間は約300日余りで、その間に6~8回の脱皮をしながら成育する。しかし、餌が不適な場合には幼虫期間が2~3年かかることもある。

 

// 防除方法

発生源となる食品等を取り除くことが第一である。カツオ ブシムシの好む干物、鰹節、けずり節、煮干などの保管には注意し、害虫が侵入しないように密閉容器などに保管する。タンスや押入れは防虫剤を絶やさないよ うにする。発生した幼虫を駆除するには、過熱しても差し支えないものは過熱処理する。衣類(毛皮、毛織物など)は風通しをよくし、日光に当てる「虫干し」 も有効である。ひどい場合は殺虫剤による燻煙処理を行う。しかし、本種の幼虫は殺虫剤の効きにくい虫の一つであるため、処理しても完全に駆除できない場合もある。

その他の病害・害虫・雑草を探す

コクヌストモドキ

コクヌストモドキ

小麦粉、米ぬか、砕米、その他穀物の大害虫。コクゾウなどの他の害虫が加害して穀粉ができてから二次的に発生することが多い。

表示する
ケブカシバンムシ

ケブカシバンムシ

年月が経った古材を好んで食害するため、神社、仏閣、仏像、古い家屋などで被害が多い。古い木造建築物の被害は、ほとんどが本種...

表示する
タバコシバンムシ

タバコシバンムシ

元来、乾燥植物、薬草、乾燥食品の害虫であるが、これらに限らず様々なものを食害する。しばしば畳から大量発生し問題となること...

表示する
ノコギリヒラタムシ

ノコギリヒラタムシ

健全な穀粒を加害することはないが、他の昆虫が発生して生じた破砕穀物や粉を好んで食する。

表示する