ツヅリガ

害虫の食害:食品

Print page

生産農家の倉庫などに極めて多く、貯蔵米の被害が大きいが、加工食品を加害することは少ない。幼虫は糸を吐き穀粒を綴るが、米では胚芽部に集合して食害する。老熟すれば柱の割れ目、天井、壁、板などの隙間に多数集まって繭をつくって蛹化する。

ツヅリガ

// 特徴

成虫は、翅の開帳32mm内外で、翅は全体が灰色で、斑紋、翅型、翅脈はオス、メスにより著しく異なる。オスはメスに比べてやや小型。幼虫は、体長約20mm。体色は帯黄白色。各節の刺毛の基部には淡褐色の硬皮板がある。蛹は約10mmで、赤褐色。

 

// 生態

世界共通種で、日本でも全国に分布し、比較的暖かい地方に多く、年に1~2回発生する。1化期の羽化は5~6月、2化期は8月頃。主に穀類(米、麦、雑穀、豆類)を食害する。生産農家の倉庫などに極めて多く、貯蔵米の被害が大きいが、加工食品を加害することは少ない。幼虫は糸を吐き穀粒を綴るが、米では胚芽部に集合して食害する。老熟すれば柱の割れ目、天井、壁、板などの隙間に多数集まって繭をつくって蛹化する。メスの産卵数は150粒内外で、成虫の寿命は1~2週間である。

 

// 防除方法

発生源の食品(主に穀類)等の整理整頓が第一。本種は低温に弱いので、発生源となりえそうな食品はできるだけ冷蔵庫などで低温貯蔵するように心がける。駆除には市販のピレスロイド系殺虫剤など(エアゾール剤、燻煙剤など)を使用する。しかし、発生源が食品である場合には、殺虫剤の処理はできないので加熱して殺すか、発生量が多い場合には廃棄処分する。