ナルトサワギク

キク科

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ナルトサワギクは一年草又は短命の多年草でヒナギクに似ている。大きさや形状は条件によって大きく異なる。

ナルトサワギク

キク科

英名:Fireweed

学名:Senecio madagascariensis

 

基本情報・生態・形態

ナルトサワギクは一年草又は短命の多年草でヒナギクに似ている。大きさや形状は条件によって大きく異なる。

乾燥した厳しい気象条件では草丈は20 cmに届かず、葉は細く分岐せず花は少ない。 理想的な生育条件では草丈は50 cmまで伸び、多く分岐し、葉は長く広く成長し、約100個の花をつける。葉は長さがおよそ2~6 cmで、互生、暗緑色で縁に鋸歯がある。

花は鮮やかな黄色でヒナギク同様、径約2 cmで、1花序あたりの種子数は最大100個である。種子は長さ2~3 mm、円柱状で、非常に細い毛がすじ状につき、絹糸状の冠毛(パラシュート状)がある。主根は短く分岐し、多くのひげ根を伸ばす。

生育条件は、日当たりがよく湿潤で、温暖な場所で発芽する。侵入の程度が軽い場所では1ヘクタールあたり100万個の種子ができる。
原産地はアフリカ南部で、オーストラリアでは1918年にハンターバレーで最初に記録されており、オーストラリアとヨーロッパをケープタウン経由で往復する船の底荷に付いて渡ったと考えられる。当初は広く分布しなかったが、30年前より急速に分布範囲が広がってきており、その主な原因として輸送の近代化や郊外地域の変化が考えられる。
現在はニューサウスウェールズ州の海岸全域に分布し、クイーンズランド州のさまざまな地域にみられる。

また本種は牧草と競合し、家畜に中毒症状を発生させる。近縁である原産のキオン属のうち特にSenecio pinnatifolius 又は Senecio brigalowensis と間違えられやすい。Senecio brigalowensisは、クイーンズランド州中部のローマからロックハンプトンまでの地域で旺盛に増殖を続け、同じくウシに中毒症状を引き起こすことが認められている。

発生時期

3~6月に幼植物が現れ、6~10週間後に開花が始まり、春に立ち枯れ始める。乾燥した夏の後の秋又は冬の降水量が多い条件で旺盛に繁殖する。