ヒラタキクイムシ

害虫の食害:建材

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家具や建材を食害する重要な害虫。この虫は同一材に1回だけ加害するものではなく、材に栄養物が残っていれば、何回でも産卵加害する。被害の多い乾材は、ラワン、ナラ、カシ、ケヤキ、タブノキ、キリ、タケなどのデンプン質の多い材である。

ヒラタキクイムシ

// 特徴

体長約2.2~8mm。茶褐色で細長く、黄褐色毛を生ずる。触角の間に深い切れ込みがある。触角の先端は2節が太まる。前胸背の中央は縦にへこむ。上羽には点刻列とかすかな隆条がある。

 

// 生態

日本全土に分布し、世界中の熱帯、亜熱帯、温帯に生息している。家具や建材を食害する重要な害虫。年1回の発生。通常成虫は5~6月頃に羽化し、木材を穿孔し脱皮する。しかし、暖房された室内では2月頃から脱出がみられ、10月頃まで続くことがある。成虫が脱出するときに、木粉や虫糞を虫孔より排出し盛り上げる。日中は暗所、特に材の下面や割れ目、脱出孔に浸入し、潜伏する。この虫は同一材に1回だけ加害するものではなく、材に栄養物が残っていれば、何回でも産卵加害する。被害の多い乾材は、ラワン、ナラ、カシ、ケヤキ、タブノキ、キリ、タケなどのデンプン質の多い材である。

 

// 防除方法

幼虫が材の中に深く侵入している時期には薬剤が届かないので駆除はまず不可能である。蛹化のために材の表面近くに出てくる10~11月、成虫が羽化する前の3~4月頃に殺虫剤処理を行うと比較的薬が届きやすい。(それでも完全に駆除できないことが多いが、薬剤処理をしておけば、材の中にいるものが出てしまえば、その次からの被害はない。)被害を受け、穴から木材の細粉が排出されていたら、その穴に市販のピレスロイド系のエアゾール剤のノズルを差し込んでスプレーし、その周辺にも処理する。ピレスロイド系の殺虫剤で処理すると致死には至らなくても、産卵を忌避することが報告されている。

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